まず初めに、春山院長から翼状片(よくじょうへん)についての一言です。

1. 翼状片(よくじょうへん)とは?
翼状片とは、白目(結膜)の組織が異常に増殖し、目頭の方から黒目(角膜)へと翼のような形で侵入してくる病気です。
- 性質: 腫瘍(がん)ではなく良性の組織ですが、放置して黒目の中心(瞳孔)まで伸びてしまうと、深刻な視力障害を引き起こす可能性があります。
- 特徴: 多くの場合、鼻側(目頭側)から黒目に向かって三角形に伸びてきます。
翼状片は、適切な時期に適切な処置を行うことで、視力への影響を最小限に抑えることが可能です。
2. 翼状片の原因:紫外線が大きな要因
翼状片の明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、「紫外線」が強く関与していると考えられています。
- 発症しやすい人: 屋外での仕事が多い方、スポーツを日常的に行う方、または日差しの強い地域にお住まいの方に多く見られる傾向があります。
- 紫外線の影響: 長期間、強い日光を浴び続けることで結膜の細胞にダメージが蓄積し、異常増殖が起こるとされています。
3. 主な症状
翼状片が進行すると、見た目の変化だけでなく、以下のような自覚症状が現れます。
- 視力低下: 組織が黒目の中心部(瞳孔)付近まで到達すると、光が遮られ、著しい視力低下を招きます。
- 充血と異物感: 盛り上がった組織がまばたきの際のスレを生み、常に目が赤くなったり、ゴミが入っているようなゴロゴロ感が生じたりします。
- 乱視の悪化: 伸びてきた組織が角膜を引っ張るため、角膜のカーブが歪み、乱視が強くなって視界がぼやける原因になります。
4. 翼状片の治療と手術のタイミング
翼状片は目薬で消し去ることはできません。根本的に治すには、手術による切除が必要です。
手術を検討する目安
翼状片の手術は「早ければ早いほど良い」というわけではありません。これには「再発率」が大きく関係しています。
適応基準: 組織が角膜の半分程度まで進行した「中等度」の状態や、乱視が強まって日常生活に支障が出始めた場合に手術が検討されます。
- 40代まで: 細胞の活動が活発なため、手術をしても高い確率で再発しやすい傾向があります。
- 50代以降: 再発のリスクが比較的落ち着いてくるため、この時期が手術の適切なタイミングとされています。
- 40歳以上の5%に生じると言われています。
点眼薬による保存療法
手術に至らない段階では、充血や炎症を抑えるための抗炎症薬やステロイド点眼薬を使用し、症状の緩和を図ります。
5. 日常生活でできる予防と対策
進行を遅らせるためには、原因となる刺激を避けることが重要です。
- 目を乾燥させない: ドライアイは炎症を助長するため、必要に応じて人工涙液などで保湿を心がけましょう。
- UVカットサングラス・帽子の着用: 屋外に出る際は、紫外線から目を守る工夫をしましょう。

