糖尿病網膜症とは?
糖尿病の3大合併症(網膜症・神経症・腎症)の一つで、眼の中のカメラのフィルムにあたる「網膜」という組織の血管がダメージを受ける病気です。
現在、国内の糖尿病患者数は約890万人、予備軍を含めると約2,210万人にのぼります。糖尿病患者さんの約40%にこの網膜症が起きていると言われていますが、患者さんの約30%は眼科を受診されていないのが現状です。
糖尿病網膜症の原因
長期間の高血糖状態が続くと、網膜の細い血管が少しずつ詰まったり、破れたりします。 血管から血液成分が漏れ出して「むくみ(浮腫)」を起こしたり、酸素不足を補うために脆くて出血しやすい「新生血管」が発生したりすることで、網膜や硝子体に多彩な病変を呈します。これはまさに「網膜の微小血管の病気」と言えます。
【比較】進行段階による症状の違い
糖尿病網膜症は、進行するまで「自覚症状がほとんどない」のが最大の特徴であり、恐ろしさです。
| 進行段階 | 状態の目安 | 自覚症状 |
|---|---|---|
| 1. 単純網膜症 | 毛細血管から血液成分が漏れ、小さな出血や白斑が出始めた段階。 | ほぼなし。 視力低下も自覚しにくい |
| 2. 増殖停止前網膜症 | 血管が詰まり始め、網膜の酸素不足が深刻化している段階。 | ほぼなし。 時折、視界がかすむ程度。 |
| 3. 増殖網膜症 | 新生血管が発生し、硝子体出血や網膜剥離を引き起こす重症な段階。 | 急激な視力低下、飛蚊症、 視界の欠け。 |
糖尿病網膜症の検査・費用について
網膜の状態を正確に把握するため、当院では最新の検査機器を導入しています。
- 広角眼底カメラ: 従来の検査よりも広範囲の網膜を一度に撮影し、周辺部の病変も見逃しません。
- 眼底検査: 瞳孔を広げて網膜の隅々まで直接観察します。
- OCT(光干渉断層計)検査: 網膜の断層写真を撮影し、ミリ単位の「むくみ」を発見します(画像 参照)。
費用の目安
(※以下は一般的な3割負担の場合の目安です。実際の診療内容により変動します)
- 定期診察: 約1,500円 〜 3,000円
- 初診・検査費用: 約3,000円 〜 5,000円
自己判断の危険性と早期受診の重要性
「まだ見えているから大丈夫」という自己判断が、取り返しのつかない視力障害を招くことがあります。糖尿病と診断されたら、自覚症状の有無にかかわらず、内科治療と並行して必ず定期的な眼科診察を行ってください。
糖尿病網膜症のレーザー治療・硝子体注射について
当院では、網膜症の進行を食い止めるためのレーザー治療や、黄斑浮腫(むくみ)に対する硝子体注射を行っております。具体的な治療の流れや費用については特設ページをご覧ください。

