花粉症と一般的に言われているものは、実際は花粉を原因として生じる病気を総称している病名となっています。なので、正確に言うと、目の痒みは花粉が原因で生じるアレルギー性結膜炎、鼻水、鼻の掻痒感は花粉が原因で生じるアレルギー性鼻炎ということになります。ここでは、アレルギー性結膜炎に関しては解説します。
1.アレルギー性結膜炎の分類
アレルギー性結膜炎には、分類として以下の2つがあります。
- 季節性アレルギー性結膜炎(花粉症はコレ)
- 通年性アレルギー性結膜炎
これはまさに季節ごとに飛散する花粉が原因となります。2〜4月はスギ花粉、4〜5月はヒノキ花粉、6〜8月はイネ科、8月下旬〜10月はブタクサ、9〜10月はヨモギなど、どの花粉に反応するかによって目の痒みが生じる時期が異なります。ちなみに、時期で整理すると、
通年性アレルギー性結膜炎
これは言葉の通り、一年中アレルギー性結膜炎による目の痒みが生じるものです。アレルギー体質のある方では、生じやすくなります。原因としては、ダニ、ハウスダスト(ダニの死骸・糞、カビ、動物のフケ)などがあります。
ここでは、花粉症による❶季節性アレルギー性結膜炎に関する治療法を説明します。
2.治療のコツ
季節性アレルギー性結膜炎は、花粉が飛散する2〜3週間前からの予防点眼薬が有効です。
痒みが始まる前から予防的に点眼することで、本格的に花粉が飛散してからの痒みを軽減することができます。例えば、スギ花粉であれば、例年1月末から2月上旬に飛散することが多いため、1月上旬〜中旬には予防点眼薬を始めることをお勧めしています。
3.痒みが生じるメカニズム
目の痒みが生じるメカニズムは、以下A作用→B作用の順番に生じ、その結果痒みが生じます。
- A作用:花粉が飛散されることで、肥満細胞からヒスタミンが放出されます。
- B作用:上記で放出されてヒスタミンがヒスタミン受容体に接着することで始めて痒みが生じます。
4.治療目薬の種類と作用機序
①A作用を抑える薬
脱顆粒抑制(メディエーター遊離抑制)点眼薬
:『痒みのない時期の予防薬』
ヒスタミン放出を間接的に予防しますが、ヒスタミンが出て既に痒みが生じてしまっている状態では効き目が弱いのです。なので、一言で表せば、『痒みのない時期の予防薬』と言えるでしょう。
これを脱顆粒抑制(メディエーター遊離抑制)点眼薬と言います。肥満細胞安定化することで肥満細胞からのヒスタミン放出自体を抑制することで痒みを抑えます。化学伝達物質遊離抑制薬(メディエーター遊離抑制薬)
②B作用機序を抑える薬
ヒスタミンH1受容体拮抗薬
:『痒みに即効性がある』
これはヒスタミン放出は予防しませんので、花粉飛散以前の予防薬としての作用はありません。あくまでもヒスタミンが放出された後に生じる痒みに直接作用します。一言で表せば、『痒みに即効性のある目薬』と言えるでしょう。
作用機序としては、ヒスタミン受容体をブロックすることで強力にヒスタミン作用を抑えることで、直接的に痒みを抑えます。ヒスタミンH1受容体拮抗薬と言われています。
5.具体的な目薬の名称
アレルギー性結膜炎に対する目薬は、下記3種類があります。
- A作用抑制のみ
- B作用抑制のみ
- AとBの抑制作用を併せ持つもの
具体的には、
- アイビナール、アレギザール、ゼペリン、リザベン、ケタス、インタールなど
- リボスチン
- アレジオン(エピナスチン)、パタノール、ザジテン
上記点眼薬は、新しく認可された順に記載しておりますが、新しく認可された目薬が必ずしも全ての患者さんにしっかり効くとは限りません。処方された目薬が効かない場合は、担当医にその旨を伝えてください。
また、上記点眼薬のみで効かない場合はステロイド点眼薬が必要になる場合があります。ステロイド点眼薬は、眼圧上昇の副作用があるため、点眼後に眼科での眼圧測定がとても重要です。短期間の使用でも眼圧管理のできる眼科医のもとで安全に処方する目薬となります。必ず眼科医に相談してください。

