当院の待合室には、小さな絵本棚があります。お子様連れの患者様にお待ちいただく間、少しでも退屈しないようにと置いたものです。先日、診察の合間にふと見ると、小さな男の子がお母様の膝の上で絵本を開いていました。指で絵をなぞりながら、何やら一生懸命お話ししています。
その姿を見て、「目が見える」ということの豊かさを改めて感じました。色とりどりの絵を楽しむこと、大切な人の表情を見ること、文字を読んで知識を得ること。私たちが当たり前のように行っていることの多くは、目の健康があってこそ成り立っています。
眼科医として、病気を治療することはもちろん大切です。でも、その先にある「見える喜び」を守ることが、本当の使命なのだと思います。絵本に夢中な男の子の横顔を見ながら、今日も丁寧に診療しようと、静かに気持ちを新たにしました。

